03:ぱんのみみ
ここ数年、"ぱんをたべたい"と思うことが昔よりも多くなりました.
一口に"ぱん"いっても、ぱんはぱんでもたべられるぱんはたくさんあります.
特にわたしが好きなぱん、というのはこっぺぱんとサンドイッチのふたつをさしますが、みなさんはどうなのでしょうか.
わたしがよくこっぺぱんを欲したときには、住宅地の一角にひっそりとお店を構える、おじいさんとおばあさん二人で切り盛りしているお店に買いに行きます.
ショウケースにはごく普通の惣菜ぱんたちが並んでいるのですが、よくよく見るとショウケースの奥正面に手書きでかかれた"コッペパン"の文字が.
あんバタ、粒ピーナツ、ホイップ、あんず、じゃむ、カスタードなどの味をひとつ選んで、その場で中の具を塗ってくれる、という手間をかけてくれるお店です.
注文を受けるのはおばあさんの方で、おじいさんに"あんバタ、ひとつ"と声をかけるとおじいさんが返事のかわりに、中の具を塗ったこっぺぱんを手渡してくれるのです.
おじいさんのひと塗りの量を音で表現するならば、どどどど!とでもいえるでしょうか.
こっぺぱんを食べているのか、中の具を食べているのかが一口目ではわからないくらいに中の具をいっぱいつめてくれるのです.
こっぺぱんという軽やかな文字の並びのはずなのに、はさみ終わったぱんを受け取るとおいしさずっしりつまったこっぺぱんしてくれる、そんな素敵なお店です.
サンドイッチは"サンドイッチ メルヘン"のふかうら雪人参、ごぼうサラダをよく好んで買いますが、フルーツサンドに目がないわたしは、ついつい食べられないのにあれもこれもと"食事用のサンドイッチとデザート用にサンドイッチ"というよくわからない言い訳をつけて、たくさん買ってしまう悪い癖があります.
フルーツサンド、で一番に思い出されるのが去年の夏頃に京都の知人を訪ねた際に、ヤオイソさんではじめて体験した"果物屋さんのフルーツサンド"です.
白いお皿に行儀よく切って並べられた甘い香りのフルーツサンドたちと出会った時、まるでお子様ランチが目の前にでてきて、手放しにはしゃぐこどものように喜んだ記憶があります.
みなさんの、ぱんはぱんでもたべたいぱんはなんでしょうか...